FRP浴槽をDIYで塗装してみる|ヒビ割れしていても補修可能な塗料を紹介!

DIY

いままで行ったリノベーションのなかでも、費用対効果が高かった、浴槽の修理をご紹介します。

「業者に任せよう」と思っていましたが。

調べれば調べるほど「これ、、、自分で出来るんじゃない?!」と思ったので、思い切ってやってみました!

成功はしましたが、3個ほど失敗をしているので、皆さんの参考になれば幸いです!

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ヒビ割れした浴槽を修理できるのか?

ヒビ割れしていても、浴槽は塗装修理できるか。
はじめに結論から言うと「出来ます」

できました!

ちなみにウチのお風呂はFRP製で、おそらく25年ほど使われたお風呂です。

使用に伴い、FRPが疲労によってひび割れ(クラック)を起こしていました。

浴槽を取り替える工事も考えたのですが、どうも大掛かりな工事になりそうで、数十万ほど掛かりそうでした。

浴槽を取り換えずに、塗装ができないか検索したところ、とある商品を使えば大丈夫ということが分かりました。

今回下調べして購入したのは「バスロン」という製品。

今現在(2018年11月17日)、塗装して1か月以上経ちましたが、とくに不調もなく使えているのでご紹介します。

風呂の塗装は難しいのか?

この半年、リノベーションをしていくなかで、最も情報の少なかった浴槽の修理。

安易に挑戦して、失敗が許される場所ではないので、かなり慎重に取り組んでいました。

下調べに2ヶ月ほど要し、なんとなく分かってきたのは
「ガンプラの塗装とほぼほぼ一緒」という感じ。

こういう事を書くと、本業をされているの方に大変失礼なのですが、実際にやってみると「ガンプラ」の時に培った知識が、かなり活かされたのは事実。

パテを使用したり、サフを使用したり、サンディングを行ったり、乾かしたりと、工程はガンプラのそれと変わりないという印象。

しかし、圧倒的に違う点は

  • 「人の肌が触れる」
  • 「お湯の高温に耐えられる素材を使う」

という2点。

この違いを意識しながら作業をすると、かなり良いクオリティの施工が出来ると思います。

また、2,3日お風呂に入れなくなってしまうので、銭湯等の確保も必要になります。

  • 塗装の経験がある
  • 近くに銭湯がある
  • 時間に余裕がある

上記に当てはまる方は、是非チャレンジしてみてください。

また、プロのレベルのクオリティを出そうとすると、様々な機材や経験が必要になるので、そのあたりを自己責任で施工出来る方におすすめです。

そして自分は今回の塗装で3つの失敗しています。
最後のまとめとしてご紹介しますので、続いて施工される方の参考になればと思います。

風呂塗装のキットを購入

浴槽塗料は近くのホームセンターで売っていませんでした。

ネットにも情報が少なく「風呂 塗装 diy」でGoogle検索しても「難しいからやめておけ、業者に頼もう」という情報ばかり。

浴槽塗料の情報を検索すること1か月。見つけたのが「バスロン」という塗料。

初心者でも簡単に浴槽を塗装できるというかなり優秀な商品。購入してから分かりましたが、こちらの業者様、かなり詳細に作業を説明して頂けます。

自分の浴槽を写真添付して、メールで問い合わせたところ「そのくらいのヒビ割れなら、全然大丈夫だよ。この手順でやってね。(本当はもっと親切で詳細)」という返事が。完全に信頼して即購入。

ちなみに、使えるのはFRPやポリバス等のバスタブのみなので、ホーローなどの塗装はできませんので注意。

さらに必要なものを購入

バスロンは塗料ですので、塗料用の施工道具を揃えます。(施工道具のリストもバスロンの添付資料に詳細が載っています)

  • ハケ・・・下塗り材と上塗り材用で、2種類買うか、アセトンを買って塗料を落とすと良いです。
  • サンドペーパー・・・自分は240番を3枚くらい使いました。ひび割れを治すなら、追加で注文したほうが良いかもしれません。
  • 養生テープ・・・塗料を塗りたくないところをカバーするために必要。
  • マスク・・・溶剤を使うため、絶対に必要。自分は、消臭の炭が履いたマスクと簡易のガスマスクを二重で装着していました。
  • ローラー・・・「ウレタン用」と書かれたローラーを使います。これは下塗り材と上塗材の2つ購入したほうが良いです。

また、塗料の施工セットも売っており、コスパも良いので、そちらを買うのもお勧めです。
(マスク、ゴーグルは別途必要です)

https://store.shopping.yahoo.co.jp/crystalfiber/2201.html

ホームセンターで上記のものを揃えようとすると、結構時間がかかります。

そして、施工道具のなかでも、一番重要なのがローラー。

最初はローラーをケチって安いものを買ったのですが、すごく使いにくい。
試しに「ウレタンくん」という商品を使ったところ、まぁ使いやすい。使いやすい。

Amazon.co.jp

時間の短縮になるし、仕上がりが段違いで変わります。塗料が特殊なため、ローラーは絶対にウレタン用を買ってください。

買う道具の中でローラーだけはケチらないほうが良いです。

全体の流れ

下記は自分が行った施工日程(かなり鬼スケジュールですので参考程度に)
  • 1日目
    養生

    まずは塗らない部分を養生テープで保護します。一番大事で時間がかかる作業。

  • 1日目
    ヤスリがけ(1回目)#240番

    ヤスリ掛けした後にシャワーで流して乾かします。ペーパーで拭くと時短になります。

  • 1日目
    下塗り材を塗る(1回目)

    下塗り材を塗った後は4~8時間ほど乾かします。

  • 1日目
    パテで補修 ≪※ひび割れ時のみ≫

    ひび割れがひどかったり、穴が開いてる部分をパテで補強します。
    (※ひび割れしていない場合はスキップします。)

  • 1日目
    下塗り材を再度塗る(2回目) ≪※ひび割れ時のみ≫

    パテが乾いたら再度下塗り材を塗装。

  • 2日目
    ヤスリ掛け(3回目)#320番

    下塗り材が乾いたら、粗を削ります。(シャワーで流して8時間放置)

  • 2日目
    上塗り材を塗装

    上塗り材を塗装して作業完了です。(8時間以上放置します)

まずは下準備(養生)

まずは養生テープで、塗装したくないところをテープします。

ここをサボると、かっこ悪くなるのでキッチリ時間をかけます。

お湯が出てくる金属の場所は、適当に養生テープを貼ったあとで、カッターで切り取るとすばやく養生できます。

ヤスリがけ(1回目)#240番


画像の左側がヤスリ掛けをしたバスタブ。右はヤスリ掛け前。水の弾きが異なります。

画像のように、水がはじかない状態になるまで、バスタブ全体をヤスリがけします。

下塗り材を定着させやすくするため、バスタブ表面の油膜を削り取る作業です。ガンプラで言うところの「脱脂作業」ですね。

浴槽を削る機会なんて、なかなかありません。
どこまでヤスリがけすればよいか迷いましたが、ここは徹底的にヤスリがけしたほうがキレイになりますので頑張りましょう。

振り返ると、ここの作業が一番地味でキツかったですね。(2時間ほど掛かりました)

ヤスリ掛けが終わったら、シャワーで汚れを洗い流します。その後、念入りにバスタブをペーパータオル等で拭いてバスタブに水気がない状態にします。

下塗り材を塗る(1回目)

バスタブが乾いたあとは、下塗り材を塗っていきます。

下塗り材は主剤と硬化剤の2種類があり、2つを混ぜると徐々に固まっていくものになります。

今回はひび割れを補修するので、バスロンの下塗り材を2回塗装します。
下塗り材(1回目)を塗装→パテを塗装 → 更に下塗り材(2回目)を塗装→上塗材を塗装→完成という流れです。

下塗り材を半分ずつに分けて、2回混ぜる必要があります。

こちらが硬化剤です。こちらも半分の量を出して、1回目の塗装分を準備します。

まぁ、この時点で嫌な予感はしていました。まず、僕が犯した失敗その1です。

足りなくね・・・・?

そうなんです。足りません。
2回塗装するには圧倒的に塗料が足りなかったのです。
下塗り材の合計が500gで、その半分ですので、水に換算するとだいたい250ccくらいでしょうか。

つまり、生クリームのホイップに使うやつとだいたい同じくらいの量を、浴槽全体に塗装していかなければなりません。全然足りません。どんだけ薄く延ばすんだ。

塗装してみると分かるのですが、思っている以上に粘着性というか、食いつきがよく、みるみるうちに塗料が無くなっていきます。このとき安い中毛のローラーを使っていたため、なおさら下塗り材の減りが早かったですね。

このときの絶望感たるや。さらに塗料を買い直すか迷ったのですが、最低でも2万円ほど掛かるので、最初っから2倍の容量で3万円で済む方のセットを買っておけばよかったと後悔。

みなさん、大きな浴槽だったり、ひび割れを補修しようと思っている方は、大容量のものを買っておいたほうが良いです。

もしも塗料を買うときは、気持ち「多いかな」と思える容量を買ったほうが、後悔しないと思います。

結局は、思いっきり薄く引き伸ばして「これでオッケー」と自分を騙しながら作業を終了させました。

薄く延ばそうとすると、ローラーの毛が施工面にくっついてしまいがちなので、仕上がりが悪くなります。おすすめしません。大容量のものを買ったほうが精神衛生上もオススメです。

とにかく、作業が終わり、このあと下塗り材が乾くまで8時間ほど置きます。

パテで補修

下塗り材が乾いたら、次はパテ(接合材)を塗っていきます。

こちらのパテは、ひび割れした部分を補修するためのものなので、ひび割れを起こしていない浴槽ならば、必要ありません。下塗り材も2回に分けて塗る必要もありません。

ポリエステルパテというものを使うのですが、これはプラモデルや模型をする方なら、ご存知のかたも多いと思います。よく、造形用に使われるもので、とても扱いやすくて、削りやすいなかなか優秀なパテです。

模型用のものでも大丈夫かと思われますが、耐熱と耐水性のあるものを買います。ホームセンターで売ってると思います。こちらのパテはそこまで大容量なものでなくても大丈夫だと思います。

下塗り材の上から、気になる部分をパテで埋めていきます。これで、だいぶひび割れが目立たなくなってきます。

ヤスリがけ(2回目)#240番

パテで埋めたら、再度ヤスリがけをしていきます。

下塗り材とパテで出来たバリを取ります。

この辺りはガンプラの流れとほぼ一緒なので、かなり手慣れて作業できました。高校生の頃ガンタンク作っててよかった。ありがとうバンダイ。

ただし、あくまで肌触りをよくするためのものなので、削り過ぎに注意しましょう。

浴槽全体をヤスリがけし、またシャワーで洗い流し、またペーパータオル等で乾燥させます。

下塗り材を再度塗る(2回目)

2度目の下塗り材です。

この2回目の下塗り材を塗ると、ひび割れがかなり見えなくなり、一気にワクワクしてきます。

このあと、下塗り材が乾くまで約半日ほど放置します。

ヤスリ掛け(3回目)#320番

2回目の下塗り材が乾いたら、もう一度ヤスリ掛けします。

何回もヤスリ掛けしましたが、これが最後のヤスリ掛けです。心残りがないようにしっかりヤスリ掛けします。

ただし、今回は前回と違い、表面の異物を取るくらいで大丈夫です。ヤスリ掛けしすぎないように注意します。

上塗り材を塗装

いよいよ上塗り材を塗装します。

下塗り材と同じように、主剤と硬化剤をバケツに混ぜて、浴槽にまんべんなく塗装します。

今回僕が買ったのは、容量を間違えてしまったため、引き伸ばすように塗装してしまいました。
自分の家の浴槽は底が深いため、一般的な浴槽よりも、塗料が足りなくなってしまいました。

これは、仕上がりが著しく悪くなるため、おすすめしません。

再度忠告しますが、もしも塗料を買うときは、気持ち「多いかな」と思える容量を買ったほうが、後悔しないと思います。

浴槽を自分の「奥側」→「側面」→「底面」→「手前」という順番で塗っていくと、自分に塗料が付かないのでおすすめです。

あとは8時間ほど乾燥させれば、塗装は完了します。

ビフォーアフター

Before
After
before

after

3つの失敗と対策

今回ぼくは、この塗装で3つの失敗をしました!

その対策もご紹介して、もし塗装する方の参考になればと思います!

失敗その1「塗料が足りない!」

今回、僕が塗装したのは、ひび割れしたバスタブだったので、通常の手順よりも塗料が必要な施工でした。

そして、僕が頼んだバスロンの塗料は一番少ないセットでした。量は500㎖です。紙パックジュースと同じ容量だと思っていただいてよいです。

バスロンは想像以上に浴槽への食いつきが良いので、気持ち多めの量を買うとよいです。

→目安としては「紙パックジュースの塗料で、浴槽がカバーできると思ったら最低量の2万円で大丈夫」かと思います。

失敗その2「スケジュールが足りない」

もしも土日で施工しようと思うと、なかなか厳しいスケジュールになります。

2日間お風呂に入れなくなりますし、シャワーも使えません。銭湯やお風呂が借りれるスケジュールにするため、日程調整が必要になりますね。

もし可能ならば、土曜日の朝から施工を初めて、日曜日の夜に塗装を完了というスケジュールが理想でしょう。

あと「天気」もできれば確認しましょう。室内施工なので天気はあまり関係ないかも気がするかもしれませんが、晴れの日でないと上手く換気ができないため、できれば晴れの日が二日続く週が良いです。

「晴れの土曜日、日曜日が使える週を確保する」というなかなかサラリーマンには厳しいスケジュールになるのでご注意ください!

失敗その3「道具をケチらない」

最初は「中毛の万能ローラー」を使っていましたが、これはバスロンとは相性が良くありませんでした。とても仕上がりが悪く、塗料を余分に使ってしまいました。

道具の中でもローラーだけはケチらず良いものを使いましょう。

おすすめはAmazonでも売っている「ウレタンくん」です。

まぁ、これと「万能ローラー」しか使っていないので、他にも良い商品はあるかもしれません。とにかく、「ウレタン用」のローラーを買いましょう!これは絶対です!

今回かかった費用

バスロン・・・2万円

ウレタンローラー・・・600円×2

ローラーハンドル・・・500円

紙ヤスリ…100円×5

合計・・・24000円

おそらく、プロに施工をたのむと7万~15万円は掛かる作業が、2万4千円で済んだのは個人的には大満足です。

まとめ

FRPの浴槽は、DIYで自分でできます!!!

ただし、ある程度ケチると、それなりの施工になってしまうので、割り切るところは割り切って投資すると納得のいく仕上がりになります!!

みなさんも良かったら、このブログを参考に、浴槽塗装トライしてみてください!!

コメント

  1. 伊予のゴルゴ13 より:

    大変 役に立ちました ありがとうございました。

  2. 田中 より:

    初めてコメントさせていただきます。お疲れ様です。風呂場の仕事は狭くて大変ですよね^^; バスロンの塗料足りましたか? 薄~く伸ばして何とかした感じでしょうか?
    質問なのですが、やすりがけはどの程度やるものなのでしょうか?塗料を吸うようになるみたいですが、見た目的にはどの程度やすりがけしましたか?表面上の色が変わるくらいとかでしょうか?

    • 田中様、コメント遅れて大変申し訳ございません汗
      今更コメントしてももう遅くてどうしようもないと思いますが返信させていただきます
      バスロンの塗料は、なんとか薄くして塗りました。そのせいで、気泡が若干出てきましたが、塗料が剥げていることはありません。
      また、ヤスリがけは見た目では全くわからないので、シャワーの水をかけて、水がはじかなくなる程度で良いと思います。
      ご参考になりましたでしょうか?よろしくおねがいします

  3. 塗り替え初挑戦 より:

    参考にさせていただき、実践しました。
    私の場合の失敗は、トップコートが固まり始めているにもかかわらず塗料がもったいない気がして何度も塗り重ねた結果、表面のデコボコができてしまいました…
    まあ、DIYの味という事にしています

    • 塗り替え初挑戦様、ありがとうございます!
      塗料が多いと、もったいないと思う気持ち分かります。
      DIYだと、塗料をどれだけ使えばよいのか指標がなく難しいですよね。
      その寛容な気持ちがDIYでは大事ですよね!
      自分も、そろそろお風呂DIY再チャレンジしてみようと思います!